提案したPB商品が定番商品として継続中。大きな信頼を獲得した喜び

担当している中でうれしかったのは、３年前に日酒販で直輸入しているワインをＡ社のPB（プライベートブランド）として採用していただいたことです。それまでもナショナルブランドの商品では取り扱いがあったのですが、お客様自身でも直輸入ワインの扱いを増やしていたことから、店頭での当社の商品の存在感が薄まりつつありました。そこで、どうしたら取引量を増やせるか考えたときにひらめいたのが、お客様のPBとして自社の直輸入ワインを提案することです。お客様のPBならば、お客様にも力を入れて売ってもらえますから。

私はワインを輸入している部署に相談しながら、お客様のご要望に合ったワインについて、検討。最終的にはイタリア産のワインを採用していただき、今も定番として販売を継続中です。また、それをきっかけに、夏限定や冬限定の商品でも当社のPBワインを採用していただいています。「ワインならば日酒販」という信頼を獲得できたと自負しています。

チャレンジした分、自分の成長につながるという手応えを感じて

私が担当する総合ディカウントストアA社の特徴は、販売量もアイテム数も桁違いに多く、また商売の流れも早く、変化が激しいことです。しかし、それこそがA社が競争に勝ち抜き、成長し続けている理由でもあります。同じことをやっていては、売り場に目新しさがなくなり、数字もついてこなくなる。お客様はそんな思いを持っていますから、私たちにも常に新しいものを求めます。それについていくのは大変なことですが、その半面、営業としてはいろいろチャレンジができ、面白いところでもあります。

例えば、「若い人たちにウケるポップな商品を」というご要望に応えて、メーカーと相談して、コーヒー牛乳をベースにしたお酒をつくって納入したことがあります。通常のスーパーなどにはなかなかできない提案ですよね。あらゆる角度から提案することで知恵が試されるし、その中で知識の幅も広がる。チャレンジした分、自分の成長につながっていくという手応えを感じています。

もっとも大事にしているのは、相手が考えていることを感じ取るスキル

営業として重要なスキルは、相手の考えていること、思っていることを感じ取るスキルだと思います。日酒販として自分として売りたい商品はたくさんありますが、自分本位で提案しても通用しません。重要なのは、相手がどんなものを求めているか、どうしたらお客様にプラスになるか、とことん突き詰めること。そのために心がけているのが、こまめにコミュニケーションをとることです。雑談の中でポロッと漏らした本音が、案外、そのバイヤーさんが求めていることだったりするものなのです。
担当しているA社は、全国でいろんな業態の店舗を展開しており、それぞれの業態に合わせた提案力も必要です。例えば、スーパーの業態ならば、食と連動した販促の企画や、季節ごとの催事に合わせた提案などを行います。いつも考えているのは、「その店舗だから売れるもの」。そのため、店舗のエリアの競合店舗の調査、メーカーからのヒアリング、さらには空港の免税店やSNSでも情報収集し、いつも情報アンテナを高くして、商品の最新動向をキャッチアップしようと努めています。

ソムリエの資格の取得がもたらした、お客様との関係づくり

数年前、A社を担当して間もない頃はワインの知識はあまり持っていませんでした。しかし、A社のバイヤーの方は、ソムリエの資格を持つエキスパート。当初は商談で話についていけなくて、とても悔しい思いをしました。そこで、なんとか対等に話ができるようになりたいと思い勉強を始め、その後、一回の受験で資格を取得しました。

半年間、社内の講習を受けている間、バイヤーの方にも、「今、こういう勉強をしているんですけど…」と話してアドバイスをもらったりも（笑）。すると、以前よりもコミュニケーションを取りやすくなり、その結果、前述した直輸入ワインのPBの採用にもつながりました。今ではワインについてのお客様からの問い合わせの量も多くなり、その内容も深くなっています。お客様と深い関係づくりができ、その中で自分の成長も感じています。